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ペットの話.html

9/8 2002
毎日ふと思い出すペットの話。




ペットと言えば、私の家族に わんころ
もちろん仮名。でも印象的にヒット。)が1匹含まれていました。


もう2年半も前のことです。私の帰国を待たずに逝ってしまった。
今でもその日を忘れないけど、やっぱり一緒に遊んだ思い出のほうが強いです。
(---今見つかった日記には、気持ちを紛らわせるためか、当時のことは細かに記してある…。)



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わんころは、だっこするのにジャスト・フィットの 小型室内犬(♂)。 もとは貰い犬で、その後10年くらい家族全員に可愛がられていました。 


2月、老衰のため長くはないだろうと父から連絡を受けたのです。私は父に、
「もう虫歯を気にする必要はないんだから、わんころにチョコレートあげて。 目が見えないから何だかわからないだろうけど、『なんだろう、甘いなあ、美味しいな』と最後にいい思いをさせてあげて」
と頼みました。 だって、2月といえばバレンタインデーだもの。
父は「それはいいね」と明るく答えました。


でも、その後すぐにわんころは口も開けなくなり、冷たくなってしまったのです。 父はそのときのために、桐箱を事前に作っていたらしく、その箱に皆でわんころを寝かせて、家の庭に埋めたそうです。 
父が出張に出かける前日の夜中でした。


わんころの棺おけ代わりに、と1人で桐箱を作っていたとき、 父はどんな気持ちだったのだろうと私は今でも考えるのです。
父だけが、いざわんころが死んだときは泣かずにいたそうです。
 釘を打ちつけながら、もう充分、現実を噛み締めていたのかな。


私が実家に電話をしたのは日本時間で朝になってからでした。
「この電話の音に、わんころの耳はもう反応しないのだろうなー」
と思いつつ…。

もう父は出かけており、母・兄も外出中で、 弟だけが家にいました。

「わんころはどう?」

「ああ、もう死んじゃったよ。」

「…そっか。 じゃあ、今は一人でつまんないね。」

「うん、でも2,3日前からもう、わんころ動かなかったし、呼んでも反応しなかったから。」

「でも、゛わんころ!"って呼んでみたんでしょ!?」

「うん、反応ないんだけどね!!」



「…そっかあーーー…」

「…そうなんだよおーーー…」

…そして私はチョコレートの話をしたのです。
父はわんころにチョコを食べさせることができたのか??
弟は
「なんだよそれ!知らないよー!」
と笑って聞いていました。 私も笑って
「パパは前向きだったよおー!!」
とか言っていました。

二人とも、頬は涙でビシャビシャだったのにね。


私は父がトライしてみたとずっと信じているのです。
わんころはチョコレートを少し味わってみて、悪くないな、とほんの少しでも感じた…と楽しく予想していたものです。
わんころが埋まっている場所には、かわいい実のなる小さな木が植えられています。
これも父の案なのだけど、ナイスアイデアだと思いました。
だって、命が木の成長に伝わるみたいで…
と宗教的なことまで考えてしまう。


父の他、誰も木の名前を覚えようとしないのです。
家族の間では常に、
実の名前は「わんころの実」で、
木の名前は「わんころの木」なのです。




おしまい


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