ホンブロイッヒ美術館 Stiftung Insel Hombroich
〜 ドイツ在住時に訪れた個人的な厳選美術館レビュー 〜
静岡君と静太と、あまり知らないまま紹介で訪れた美術館・・・。
ああ、こんな変わった美術館があるとは、ドイツもすごい。
広大な牧草地は64エイカー (東京ドームが6つ入るくらい?)、
そして自然の中に、大小様々な彫刻作品や、
室内作品が収められた↑の写真のような
ごくシンプルな建物がポツンポツンと佇んでいる。
何世紀も変わらないような景色の中を歩き、
古代〜現代までの
作品に触れるという非常に珍しい「美術館」だった。
池や半分森のような場所もある。
椅子の作品では3人の老女が遊んでいた!
野バラが咲いていたり林檎の木があったり、
一見、のどかな週末に最適な公園という感じ。
牧草地だけど、もともとは周囲の広〜いジャガイモ畑と繋がったNATOの
ミサイル基地だったという! ドイツね・・・。
そんな土地を買い上げ、コレクションを新しい形で展示したいと願ったのが
美術館の名前になっている「ホンブロイッヒ氏」で、
地元の芸術家や建築家にも支持され
今のかたちになった、とのこと。
のどかさの中に異質を感じるのは、その芸術的観念によってミニマムに研ぎ澄まされた展示方法と作品群の性格。
↑ アジアの古代(?)彫刻と現代絵画が一緒の部屋に。
ごくシンプルなデザインの煉瓦造の展示棟はドアが無く自然光のみに頼っていて、壁の白さが無機質さを誇張する。
そして各作品には、野外作品を含めて説明書き(キャプション)が一切無い。
アジア、ミクロネシア、西欧、東欧・・・
仏教、キリスト教、ギリシア正教・・・
そこに文化の束縛はなく、
アカデミックな先入観なしに作品と対峙できるところ。
しーん・・・と不思議な感覚が生まれるんだよね。
これは、維持していくにもよほど趣向を理解し、
徹底できる協力者がいないといけないだろうな!!と思った。
草原の中に現れるカフェレストランの食べ物は入館料込&ビュッフェスタイルで自由さいっぱい。
採れたての林檎や、ジャガイモ、パンにコーヒーでも、とても贅沢なひととき。
入場時にとってもシンプルな地図を渡される。(ドイツ語のみ)
でも敷地内の歩道は自然の中でごく限られているので分かりやすい。
一見、広々しているけど几帳面に統一感を持ってデザインされていて、ドイツ人の性格そのものな印象。
美術館の看板もいたってシンプルで、
注意深くないと森だと思って通り過ぎてしまいそう。
芸術も自然も食も充実! 羽ばたく鳥だけが知っていた広大なオアシスを見つけてしまった感じ。 広い。