--WakiYuki--FilmList--DiaryStore--Gallery--Profile


hepo.jp/WakiYuki/html/DiaryStore/
愛を語るハワイアン.html

8/7 2002



地下鉄内で呼び止められた。

「日本から来たの?」

日本人女性にとって、場合によってこの問いかけは

「何? だからなんなのよ?」

と、いきなり食って掛かりたくなる(実経験あり)質問だ。
それは、様々なところで言われるように、日本人女性に対する失礼な先入観から 来ている。
  いまだに、「男に順応、豚もおだてりゃ…」なのである。

だが彼(アメリカ人、推定40歳)は少し違うみたい。
近々、沖縄で英語を教えたいということで、文化について色々と尋ねてきたのだった。日本人の知り合いも多いらしい。

私は基本的に、突然の友人、歓迎タイプなのだ。
そんな彼は見るからにハワイアンで、性格も明るかった。
金髪、青い目だが、色黒でアロハシャツを着て、貝殻のネックレスをしていた。
ボストン育ちだが、温暖な気候と海を愛し、ハワイ大の演劇学部を 卒業したらしい。 まあここは適当に頷いておいた。 

「何か、歌を歌ってくれる?」

そんな私の要求(>地下鉄内!)を喜んで受け入れ、ジェスチャーつきで
愛の歌を歌ってくれたのだ!
OK!
私と彼は、お友達になった。



彼の名を ハンサムとしておこう。
名前の意味が「ハンサム」だし、実際、容姿は悪くなかったんだもの。
でも、それがつまり危険、ということくらいは分かる。
この男に惚れては…いけない!私の心の信号が静かに点滅を繰り返した。

「来週末に、一緒に海に行けたらいいと思う」

とハンサムは言った。 男性と、海…。
この間、一人で海辺に行き寝転んで本を読んでいたけど、途中で飽きて近くのおばあちゃんと談笑していたのとは…、違う!

でも私は忙しく帰りの遅い日が続いていたので、彼の電話を受けることはしばらく無かった。
(私は携帯電話を持たない。そして家の電話には留守電機能がない!!
だって、同時多発テロでぷっつり切れてしまったのだ!
そしてそのまま1年が経とうとしている。時の流れは速いのだ。)


私がハンサムに関してはどうでもよくなった頃、ついに私は彼からの電話を取った。
ハンサムはその情熱のハワイアン・テイストを惜しみなく発揮させる。

「ああ、やっと! 君の声がやっと聞けて嬉しいよーー!
(中略)
え? 特別扱いしないで?
  何を言ってるんだよ、君は特別なんだよ! Oh My ビューティー!
来週は忙しい? そうか、分かるよ。
(中略)
じゃあ、また来週電話するよ マイ・ハニー。 水曜日か木曜日の夜10時! 絶対に出てくれよ。
今回は会えないけれど、素敵な週末を過ごしてくれるよう祈っているよ。
愛してるよ、Oh マイ・ラヴ!


…彼と私は、ただ一度、15分くらいしか会っていないのだ。
だが、誰が突然の恋の可能性を否定するだろう? 彼は既に恋の駆け引き準備OKなのだ。
水曜日、それほどひどい女でもない私は、言われた通り電話に出たが、経験豊富な中年の男性との駆け引きになんて敵うわけないもの…。
いきなり戦線離脱を宣言した。

「恋人がいるの」

えっ…彼は…、日本人かい?」

「そうよ」

「そうか…、彼を、愛しているの?」

「ええ。」

「そうか…、彼は、ボストンに住んでるの? よくデートはする?」

「いいえ、彼は日本にいるのよ」

あっ、そうなの!
(ハワイアン、復活――!!)

ケルト音楽が好きだって!! 僕は素晴らしいCDを知っているよ、
明日にでも送るから、ぜひ聴いてほしい! そうすれば僕たちはそのCDについて週末に語れるだろ?
え? 特別すぎる?
何言ってるんだよ、 君は特別なんだよマイラヴ!!
じゃあ次の電話は土曜の朝の9時! いいね?  ではお互い、離れているけど素敵な夜を! アイラブユー、バーイ」


ああ!!青年H(私の恋人)ごめんなさい…!

そして私は住所を教え、翌日に本当にCDが届いたのだった。ラッキー。
なんとイヤリングまで同封されていた。
同封されたカードにはハートのシールがべたべた貼られており
全てには香水が吹きかけられていた…。
これはドラマではたまに聞くけど、実際に自分がされたのは初めてだ。

  全く、なんてことだろう! 私は家の階段を転げるように降りて行き、大家である女性にその贈り物を見せ、2人で大いに笑い合うのだった。 


⇒⇒つづく





---------------------------------

All Material (C) Copyright 2001-2003 わきゆき All Rights Reserved
Questions? Comments? E-mail: wakiyuki@hepo.jp