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自転車が必要だ. html

〜新しく暮らし始めた町での必需品 〜
9/28 2003



約5年間の海外生活を終え、本格的な日本での暮らしを始めました。
今は日本の秋らしさを、とても新鮮に感じている毎日です!

神奈川県にある実家ではなく、他県の、とある日本風情が色濃く残る町でのアパート住まい。
小さな町だけど、民芸品やだんご(1本60円)を売っている築100年以上の木造立て 住居が所狭しと立ち並ぶ通りなど、ぶらぶら歩いているだけですごく楽しい町なのだ。まあ、観光地として有名な町だしね。
数年前の帰国時にこの町を旅行がてら訪ね、とても気に入ったのです。(就職先の美術館もそう)


そのように日本的で楽しげな賑わいを見せるのは町の中心部ですが、
一歩そこから離れるとのどかな田園風景が広がっているのです。
私はそうした、とても静かな場所に住み始めました。
電車など走ってないし、車が走る音すらかすかに聞こえるくらいだけど、 先日は、近くの雑木林からでしょうか…。
夜中に何だかわからないけど獣の遠吠えが止まずに目を覚ましてしまいました。
今はどこかから牛の鳴き声が絶え間なく聞こえています。

遠まわしに言ってますが、要するに交通手段が極めて乏しい場所に住んでいます。



左:畑横の小道をチャリで暴走 右:ススキ畑(空き地)横の車道の真ん中を優雅に走行


上の2つの写真は、今日、自転車で家(アパート)から 最寄りのコンビニに行く途中で撮りました。
写真に撮ってないけど、その辺でハングライダーをしている人もいました。


自転車がないとどこへも行けない場所です。(車でもいいんだけどね)
…こう写真で見ていると、改めて 一体なにが私をBOSTON というアメリカの有名都市からこんな田舎に導いたのか、 自分でも疑問に思ってしまいます。


引っ越してきた日に早速、私は自転車を買いました。
そこは昔から代々続いているような小さな自転車屋さんで、気さくでとても優しいおじさんとその家族が 営んでいました。
私が注文した自転車が整うまでと、別の見栄えのいい自転車を貸してくれました。



だがなんとその翌日、
その借り物の自転車は何者かに壊されてしまったのです!!!!


許せない!!!
それは、人に聞きながら初めて立ち寄った大きなスーパー(大手のスーパーではない)の駐輪場で起こったことでした。
私の自転車は、無残にもカゴにゴミ袋が放り込まれ、両方のブレーキが不能にされ、タイヤはパンクされ、さらにカギまで壊されていました!!
手をかけられる箇所は全て、といったところです。


「あれ、お姉ちゃ〜ん、それパンクしてるよ」
泣きそうな顔をしながら自転車を引き歩いている私に、そう声をかける人がいました。

「お前かっ!!お前がやったのか!?でなかったら、お前の息子がやったんだろ!!!」

と根拠のないことを思いもしたけれど(ごめんなさい)、なにしろ声を出す気力もないほど、ショックを受けていました。
もう日もとっくに暮れている夜の8時すぎ。 
そんな長時間留守にしていたわけでもないのに…。
何が楽しくて、わざわざ人の迷惑にしかならないことをするのか、私は理解できませんでした。
暗くて人が気づきにくいからって、なんて卑怯なんだろう? 
犯人は、ストレスのたまった受験生か、まともな家庭教育を受けてない中学生あたりだろう。
こういうこと頻繁に起きるのだったら、窃盗などの犯罪も多いのだろう・・・ということを、悶々と思いました。

もう私は、この町で暮らしていく自信がなくなった。


私はとにかく自転車屋さんに電話をしました。
場所は近かったし、聞くと夕方には新しい自転車が到着していたということで、おじちゃんは
「今でいいから、交換しに持っておいで」

と言ってくれました。

歩いているうち、怒りは鎮まってただホントに目に涙をウルウル溜めていました。
そして店に到着したときには、閉めたはずのシャッターを開いて明かりをつけ、おじちゃんは店頭で
「大変やったなあ、引っ越してきたばかりなのに。 大丈夫かい?」

と、心配そうな顔をして迎えてくれたのです!! 
ううぅぅー!、おじちゃん〜! おじちゃんはこんなにいい人なのに…。 こういう人もいるのに…。
じーん・・・ と感動し、その場に立ち尽くしていると、自転車を調べ始めたおじちゃんがすっとんきょうな声をあげました。


「ありゃあ! こりゃ違う自転車やないかーー!!」 

「えええええーーー!!!!」

「あー、こりゃ仕方ない、色もそっくりや。 
これは間違えてもおかしくないわ。
違うの持ってきちゃったんやな。 まあ、よかったよかった。
いやー、イタズラされるなんて滅多にないことやし、
おかしいなーとは思った んやけどな、ホンれはそっくりや。・・・


拍子抜けして、おじちゃんが気を使って弁明してくれてるのをろくに聞いていませんでした。
「じゃあ、誰かが壊れた自転車をそこに置いて、代わりに私のに乗っていっちゃったのかしら??」
と言っても、もうおじちゃんは半信半疑である。
明日その駐輪場に行ってみようと言っていました。


なにはともあれ、私は新品の自転車をそこでもらえたのだ! 
壊された自転車、弁償代払わなきゃいけないかなあ・・・なんて心配してたし、ホント良かった!


・・・そして帰り道、念のためもう一度スーパーに寄って駐輪場を覗いてみると・・・

借りた自転車がちゃーんとありました。ふー、まったくもう! 
他人の自転車をかっさらっていったのは、私だったんじゃん!!

おじちゃんに電話をすると、 「ははは!やっぱりなあ!」
と言われました。 


しかし、その事件が忘れられず、しばらくは町の治安に対する警戒心が強かった私。(100%被害妄想)

最近は夜でも平気でふらふら寄り道しながら近道を探したり他人の畑に入り込んで、
密かに花を摘み綺麗な石を拾いつつ帰宅できるまでになりましたとさ。


めでたし! 今のところこの町での生活は幸せです!


おしまい




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