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あなたから卒業.html

6/9 2003
〜 学校の卒業と共に、学生時代に私の心を占めていたあの人からも卒業しなくちゃ。
今、ここに思い出の1ページを文章として留めることにし、淡い想いに終止符を打とう・・・〜



あれは何年か前、付き合っていた彼がまだ、時間に融通が利く学生だった頃の夏。
旅好きな私たちは、5泊6日の東北旅行を計画した。

自由で気ままな2人旅。

幸い、日本海沿いを走っている頃は雲ひとつ無い快晴だったので、
私たちは車を道路わきに止めると、海岸へ歩いて下りていった。

そこは延々となだらかに続く赤茶けた砂浜に
息をするのも忘れそうなほど鮮やかなトルコブルーの海面。
快晴の下・・・。
あんなに幸福な場所に、私たち二人の他には人影がなかった。

私は嬉しくなってすぐに裸足になり、ショワショワ言っている濡れた砂の上に足跡をつけて遊んだ。
長時間の運転に疲れていた彼はというと、海原を正面に仁王立ちし、
爽快な風を浴びながらペットボトルの麦茶を飲み干した。

「波が高いから、泳ぐのは無理だね。」

おそらく、私が既に膝くらいまで水に浸してもなお海面の方を見つめていたからだろう。 彼は私を制止するように言った。
確かに海岸をパノラマで眺めると穏やかなオーシャン・ビューだが、実際には波が高く、足元を濡らす程度を越えると、すぐにでもさらわれてしまいそうだった。

「お茶、新しいのを持って来るよ。」

喉が渇いている彼は、車に積んだクーラーボックスから麦茶が入ったペットボトルを取ってくると言う。
私はそのまま、浅瀬でパチャパチャ遊んでいることにした。

・・・が、すぐに飽きて、私は道路脇に積んである三角堤防の陰にかくれんぼした。
(まったく、なんて私は子供だったのだろう・・・。 今はこんなことしません。)

隠れている場所から少し顔を出し道路の方を見上げると、ちょうど車が見えた。
新しいペットボトルを片手に握った彼が、車の前で海岸を眺め渡していた・・・と思ったら、急に早足で海岸へと駆け下り出した!!

「わ! やばっ!」

バレタのかな!? と思った私は、それでも息をひそめて身を縮めて、しばしジッとしていた・・・。

ザバーンザバーン・・・という豪快な波音を、暑い日差しを背中に受けながらどのくらい聞いていただろう?


そ〜・・・っと私が三角堤防の陰から覘くと・・・

バレていたどころか、彼は波打ち際を右往左往しながら、海面に向かって(私に背中を向けて)一生懸命

「ゆきーーーー!!ゆきーーーー!! ゆきいいいいいーーーー!!!」

と叫んでいた!!!

わははははは!!! ひーーおかしい!!

腹を抱えて笑い転げるところだったが、やっぱり彼が可哀想なので、すぐに「ここだよおー!!」とひょっこり出て行った。 

そう、私は彼の元に走り寄り、彼もまた
「溺れたと思った、心配かけやがって・・・!」 と私をギューッと抱きしめるロマンス
・・・のハズだったのだけど、何しろ砂浜が裸足には熱い熱い熱い!!!

私は彼の目の前を素通りし、海面に向かって一直線に走った。

そしてやはり、女性とは追いかけられると逃げたくなる生き物ではないのか? 
私は彼の手を振り解き、できるだけ彼から逃げるため水の中に避難した。 
なぜなら、彼はそのときサンダルやズボンが濡れるのを嫌がっていたからだ!! やーいやーい、捕まえたかったら水の中においでーーだ!!!
(私はすぐに全身ビッチョリになり、怖いもの無しだった)

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そうそう、余談だけど私が何度か前に帰国した際、コンビ二に夜に行ったのね。
友人のYちゃん宅(閑散とした畑近く)を訪れる途中、花火とお菓子でも持っていこうと思ったのだった。
でも買った物をレジ横に忘れて出てきちゃって、レジのお兄ちゃんが後から、袋を持って追いかけてきた! 後ろを振り返ると

「おーーい!!ちょっと、君ーーっ!!」

暗闇の中を叫びながら走ってくる若い男の姿を目にして、私はもう本当に飛び上がるほど驚き、一目散に逃げ出したのだ!!

「待って待って!! これーーー!!!」

私(心の中の叫び) 「ぎやあああああ!!もうやだあああーー!!!!」 ←恐怖で何も聞こえてない


そのまま走りながらも後ろを振り向くと、道路の反対側でポカンと状況を眺めているYちゃんが目に入った。
バス停から家までの道のりを私が分かるか心配だったので、迎えに来ていてくれたのだ。

彼女の不思議そうな顔を目にし、「あれ?」と思ってよくよく男を見てみると、白いビニール袋・・・を持った、レジの兄ちゃん??
わざわざ他の客を待たせて私に買い物袋をとどけようとしてるのに、変質者と間違えられて逃げられたレジの兄ちゃん。 ほ、ホントにゴ、ゴメンなさいいいーーー!
(なんて嫌な女なのでしょう。 こんなこともう起こりません。)


ということがあったな、そういえば。。。あれも夏でした。

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  とにかく、そうして私は彼を驚かすのに大成功を収めて満足だったのだった。

「ビックリしたでしょーー!」

と得意気に尋ねたら、

「したよ! 怒ってるよ・・・!!」

泣きそうな顔で言っていたっけ・・・。
「今、警察を呼ぶか!?でもその間にどんどんゆきが離れていってしまう!?」
と混乱したらしい。 うー本当にゴメンね・・・でも、かわいかったにゃー。 甘い元彼との思い出・・・


…って、こんなことばっかりしてるからフラれるんじゃないの私?
と思った! 大人になるのだ私!!!子供も卒業するのだ私!!!


おしまい
(大丈夫大丈夫、もう子供も卒業してるよー、てへへー)




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